【6月21日 AFP】ニュージーランドで妻を殺害したとして殺人容疑で国際指名手配され、08年2月に米国で逮捕された中国出身のNai Yin Xue被告(55)の裁判で、陪審団は20日有罪の評決を下した。

 同被告は07年9月、ニュージーランドで妻An an Liuさん(当時27)を絞殺。その後オーストラリアへ逃走し、メルボルン(Melbourne)の鉄道駅に3歳(当時)の娘Qian Xun Xueちゃんを置き去りにして、米国へ逃亡した。

An An Liuさんの遺体はニュージーランドのオークランド(Auckland)にある自宅脇に停められた夫のNai Yin Xueの車のトランクから半裸状態で発見された。

 Qian Xun Xueちゃんはメルボルンの駅で1人で泣いていたところを地元警察に保護された。当時着ていた服のブランドにちなんで、警官たちからは「パンプキン」とのあだ名で呼ばれていた。その後、中国にいる母方の祖母の元へ送られ、一緒に暮らしている。

 Xue被告は米国ジョージア(Georgia)州アトランタ(Atlanta)で中国系米国人6人によって捕獲された。米捜査当局は同被告に1万ドル(約96万円)の懸賞金をかけていた。

 ニュージーランドに送還された同被告は、オークランドの裁判所で裁判にかけられた。被告は妻の殺害を否認したが、3週間にわたる裁判の後、陪審団は被告の無罪の主張を退けて有罪の評決を下した。

 公判中、検察側はXue被告がAn an Liuさんをネクタイで絞殺したと主張。一方、被告の弁護団は、An an Liuさんは被告を含む2人ないし3人の男性と性的興奮を得るために窒息状態にする行為をしていた最中に誤って死亡したと主張している。

 有罪の評決を聞いたXue被告はこぶしを振り上げ、独房に戻されるまでの間、中国語で「私は無実だ」と叫んでいたという。量刑は今後決まるが、最高で執行猶予なしの終身刑が言い渡される可能性がある。

 事件後Qian Xunちゃんと中国で暮らしている祖母のXiaoping Liuさんもテレビ会議システムを介して裁判で証言した。

 評決が出た後、裁判所前で裁判関係者が語ったところによると、Qian Xunちゃんは中国で「幸せで健康で元気に暮らしている」と話した。(c)AFP/Chris Foley