【6月20日 AFP】日本人男性の田鍋友時(Tomoji Tanabe)さん(113)が死去したことを受けて、英国人のヘンリー・アリンガム(Henry Allingham)さん(113)が19日、世界最高齢の男性としてギネス世界記録(Guinness World Record)に新たに認定された。

 アリンガムさんは1896年6月6日にロンドン南部クラップハム(Clapham)で生まれた。3つの世紀にまたがって生き続け、国王の即位式も何度も見た。孫が5人、曾孫(ひまご)が12人、玄孫(やしゃご)が14人、来孫(きしゃご)が1人いる。

 第一次世界大戦の退役軍人で存命の2人のうちの1人。第一次世界大戦発生後は海軍航空隊で整備士を務め、1916年のユトランド沖海戦(Battle of Jutland)で活躍した。1918年に発足した英国空軍(Royal Air ForceRAF)の創設メンバーとなった。

 1901年のビクトリア女王(Queen Victoria)の死去、1912年のタイタニック号(Titanic)の沈没、1920年代ジョン・ロジー・ベアード(John Logie Baird)によるテレビの発明、1929年のウォール街(Wall Street)の株価の大暴落――アリンガムさんは、これらをすべて経験してきた。

 3月にフランスのレジオン・ドヌール勲章(Legion d'Honneur)を受けた際に、「これ以上、戦争が起きないことを、そして世界が大きな1つの国になることを願っている。(世界大戦は)忘れてはならない悲劇だ」と述べ、戦争の根絶を訴えた。

 これまで最高齢男性の世界記録保持者だった田鍋さんは19日に宮崎県の自宅で慢性心不全のため死去した。08年9月18日に113歳の誕生日を迎えたとき、田鍋さんは長寿の秘訣について、食欲旺盛であっても食事は食べ過ぎず、スナック類は食べず、お酒とタバコを飲まないことだと語った。

 ギネス世界記録によると、現在世界で2番目の最高齢男性は、1896年9月21日に生まれた米国人のウォルター・ブリューニング(Walter Breuning)さん(112)。また、世界最高齢は米カリフォルニア州ロサンゼルス(Los Angeles)に在住のガートルード・ベインズ(Gertrude Baines)さん(115)だ。

 第一次世界大戦の退役軍人で存命の2人のうちのもう1人、ハリー・パッチ(Harry Patch)さんは17日に111歳の誕生日を迎えたばかり。パッチさんも3月にフランスのレジオン・ドヌール勲章を授かっている。(c)AFP/Michael Thurston