【6月15日 AFP】英国・北アイルランド(Northern Ireland)で6つ子を妊娠した女性が、医師に多胎出産の危険を指摘されながらも、子どもは「神からの贈り物」だとして中絶を拒否し前月、無事に出産を果たした。

 この女性は、北アイルランド中部Dunamoreに住むヌアラ・コンウェイ(Nuala Conway)さん(26)。前月、ベルファスト(Belfast)の病院で、医師ら30人がかりの帝王切開で6つ子を出産した。

 14日の英サンデー・エクスプレス(Sunday Express)紙に掲載されたインタビューでコンウェイさんが明かした出産秘話によると、コンウェイさんは出産前、医師から多胎出産の危険性について説明を受け、胎児のうち何体かを中絶するよう勧められたという。しかし、敬虔(けいけん)なカトリック教徒であるコンウェイさんは信念に基づき、全員を出産することを決意した。

「子どもたちは神様からのすばらしい贈り物。神様が決めたことは、どんなことでも受け入れます」とコンウェイさん。「医師からは2、3日間、よく考えるよう諭されましたが、(授かった子どもたちを)どうすべきか、わたしと夫は話し合う必要もありませんでした」

 コンウェイさんの6つ子は体重が650-965グラムの未熟児で生まれたが、現在は集中治療室で安定して成育しており、2か月ほどで退院できる見込みだという。

 コンウェイさんは、「ずっと子どもが欲しくて、神様にお祈りしてきた。1人の子どもでも十分嬉しいのに、神様は子どもを6人も授けてくださった」と喜びを隠しきれない様子だ。自宅に子どもたちを迎えるのが待ち遠しいという。

 北アイルランドの法律では、中絶が許されるのは、母体に精神的、または肉体的な影響が出ることが証明された場合のみだ。

 英国で6つ子が誕生するのは、1983年以来のことだという。(c)AFP