【6月10日 AFP】(一部訂正)ナイジェリアの活動家らが1995年に処刑された問題で、被害者遺族が、事件に関与していたとされている石油大手ロイヤル・ダッチ・シェル(Royal Dutch Shell)に損害賠償を請求していた訴訟は8日、双方の和解が成立し、遺族に1550万ドル(約15億円)を支払うことで和解した。

 ナイジェリア人作家で人権活動家のケン・サロウィワ(Ken Saro-Wiwa)氏らは、ニジェールデルタ(Niger Delta)の環境破壊と同地に住むオゴニ(Ogoni)族に対する虐待行為に抗議する非暴力活動を率いていたが、軍法会議の末、オゴニ族指導者8人らとともに絞首刑に処された。原告団によると、当時の軍事政権が行った同氏らへの拷問、虐待、処刑などの弾圧行為にシェルがかかわっていたとされる。

 今回の和解により、遺族との長い争いに終止符が打たれることになり、シェルは弾圧行為に関与したことを実際に認めることなく裁判を回避できることになった。

 米人権活動家の弁護士が代理人として起こされた同訴訟は、前月27日に米ニューヨーク(New York)の裁判所で口頭弁論を開始する予定だったが、審理は延期されていた。この間に双方の話し合いが進められ、和解に至った。(c)AFP/Joel Olatunde Agoi