【6月5日 AFP】パキスタン北西辺境州ペシャワル(Peshawar)南部のバダベル(Budaber)で4日、女子学校で爆発があり、校舎が大きな被害を受けた。同州スワト渓谷(Swat)でパキスタン政府軍がイスラム原理主義組織タリバン(Taliban)の掃討作戦を展開する中、女子校の爆破は親タリバンの武装勢力によるものとみられる。

 爆発により、4つの教室が完全に破壊され、3つが大きく損壊したが、学校は夏休みで誰もいなかったため、死傷者は出ていない。

 地元警察によると、爆破には少なくとも40キロの爆薬が用いられており、時限式の爆発物が仕掛けられた可能性もある。

 同地域では、スワト渓谷で政府軍が4月から展開するタリバン掃討作戦で避難を強いられた住民約240万人の避難所として、各学校施設が使用されていることから、今回の爆発は武装勢力による脅迫行為の一環と警察はみている。

 スワト渓谷の武装勢力は、イスラム教の強硬派指導者マウラナ・ファズルラ(Maulana Fazlullah)師が2年前から推し進めるシャリア(イスラム法)強化運動に従い、女子校122校を含む191校を破壊。生徒6万2000人が、学ぶ場を失った。

 スワト渓谷の学校は、数年前から男女別学制となっている。(c)AFP