【5月31日 AFP】米ネバダ(Nevada)州ラスベガス(Las Vega)のカジノで200万ドル(約1億9000万円)の大損をした台湾の男性が、占いの一種「風水」の気を悪くされたことで自分の運が奪われたとして、同カジノに損害賠償を起こそうとしている。

 30日の台湾紙・蘋果日報(Apple Daily)によると、この男性は08年4月、ラスベガスのカジノ「ベネチアン・リゾート・ホテル・カジノ(Venetian Resort Hotel Casino)」の最上級のスイートルームに滞在したが、その際、ホテル側がスイートルームの壁に1メートル四方の穴を開けており、それを黒い布で隠していたのが「風水的に」問題だったと主張している。

 また、ホテル側がこの男性の了解なしに、スイートルームの前に2枚の白いタオルを掛けていたこと、この部屋に向かい合う大きなファン2台をまわしたことも、風水に影響したと訴えている。滞在中にこうした配置を発見して以降、それまで40万ドル(約3800万円)の勝ちだった賭けが、一気に200万ドルのマイナスに負け込んだという。

 男性は「中国人は、黒と白の布は家族が死んだときにしか部屋に掛けない。普通の人にとってもタブーなのだから、ギャンブラーにとってはなおさらだ」と述べている。

 台湾に帰国後、この男性はホテルに苦情を申し立て、カジノで負けた200万ドルの債務取り消しを要求した。うち100万ドルはその場で支払い、残りは「つけ」にして帰国していた。

 カジノ側は、現金で10万ドル(約950万円)の返金と、同額のカジノ用チップの贈呈には応じると約束したが、その理由については明らかにしていない。

 男性は弁護士を通じてベネチアン・ホテル側に、妥当な解決手段を示せなければ、風水を妨害されたとして裁判を起こす意思を伝えたという。(c)AFP