【5月29日 AFP】イランでスパイ罪で有罪判決を受け、約100日間服役した後に減刑され釈放された日系米国人ジャーナリスト、ロクサナ・サベリ(Roxana Saberi)さん(32)が28日、米ラジオのインタビュー番組に出演し、拘束中の尋問でスパイと認める供述をしていたことを明らかにした。

 米国生まれでイラン人の父親を持つサベリさんは、イランで6年間、欧米メディアの記者や執筆業などを務めていた。

 米公営ナショナル・パブリック・ラジオ(NPRNational Public Radio)の人気ラジオ番組『All Things Considered』でサベリさんが語ったところによると、身柄を拘束されたのは1月31日。イラン情報省の職員4人が自宅にやってきて、サベリさんを逮捕し身柄をテヘラン(Tehran)郊外にあるエビン(Evin)刑務所に移送した。当時、サベリさんは一人きりで、目撃者は誰もいなかった。また所内では、家族や友人との連絡は一切禁じられていたという。

 尋問では、「米国のスパイだと認めなければ、ここからは10年も20年も出られない。死刑の可能性もある」と脅された。この時、サベリさんがエビン刑務所に拘束されていることを、家族は知らなかったため、家族が自分を見つけ出すことは一生、不可能だと考えたサベリさんは、「私は米国のスパイです」と虚偽の供述をしたという。

 逮捕の罪状について、イラン当局は「酒の不法購入」や「記者証不所持による報道行為」としていたが、サベリさんは両容疑を否定。本当の逮捕理由は「全く分からない」と話した。

 エビン刑務所は、主に政治犯を収容する悪名高い刑務所として知られる。ここでサベリさんは、拷問を加えられることはなかったが、「精神的にかなりきつい状態」を過ごしたという。

 当初は、独房に入れられ、最初の数日間は、毎日、朝から晩まで何時間も尋問が続いたという。サベリさんは目隠しをされて、壁に向かって立たされ、4人の尋問官に脅されたという。(c)AFP