【5月28日 AFP】米国の空港での入国審査で、「指紋がない」として、62歳の男性が長時間にわたり拘束されたが、その原因は長年服用しているガン治療薬にあることが明らかになった。27日発行の英医学誌「Annals of Oncology(腫瘍学年報)」で報告された。

 報告を行ったシンガポールの医師によると、この男性は、頭と首にできた腫瘍(しゅよう)の化学療法を補うためにカペシタビンという治療薬を3年以上服用していた。この薬にはてのひらや足裏が炎症するという副作用があり、皮膚がはがれて出血したり潰瘍(かいよう)ができたり、あるいは長年の間に指紋が消えてしまうというケースがあるという。

 男性は2008年12月、親せきを訪ねるために米国の空港に降り立ったが、入国審査で指紋が確認できなかったため、拘束されることとなった。だが危険人物ではないことが確認され、4時間後に解放された。その際、空港職員から、指紋がない理由を説明する医師の書状を携行するよう、アドバイスを受けたという。(c)AFP