【5月25日 AFP】ココ・シャネル(Coco Chanel)の恋はこれまで幾度も活字にされてきた。そして今回、作曲家イーゴル・ストラヴィンスキー(Igor Stravinsky)との恋模様を描いた作品が24日、第62回カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)のクロージング作品として上映された。

『シャネル&ストラヴィンスキー(Coco Chanel & Igor Stravinsky)』と題された本作品は、シャネルの顔となったモデル、アナ・ムグラリス(Anna Mouglalis)がココを演じ、衣装デザインをカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)が担当したシャネル(Chanel)公認の作品だ。

 物語はココとストラヴィンスキーの1913年の出会いからその後の交際を描く。当時、パリの優れた芸術家たちと交流のあったココがストラヴィンスキーと出会い、1920年代にそのパトロンとなってストラヴィンスキーとその夫人と4人の子どもを自分の別邸に住ませていたことは史実に基づいている。

 しかし、2人の恋愛関係の真偽については伝記作家の間でも意見が分かれている。シャネルはAFPに対し、「何も証拠はない。これはフィクションだ」と説明している。

 ココと恋愛関係にあったとされるのは、ロシアのドミトリー・パヴロヴィチ(Dmitri Pavlovich)大公、詩人、デザイナー、そして、彼女にウィンストン・チャーチル(Winston Churchill)を紹介したウェストミンスター公爵(Duke of Westminster)などだ。第二次世界大戦中にはドイツ人将校に協力し、終戦時にフランスを離れ、1953年に戻ってくる。

 シャネルの創業から100年、そして死後40年が経過した今、ココはフランスで大きなブームとなっている。何冊もの新しい伝記が書店に並び、テレビ番組も放映され、4月にはココのシンデレラストーリーを描いたアンヌ・フォンテーヌ(Anne Fontaine)監督の『ココ・アヴァン・シャネル(Coco Avant Chanel)』も公開されている。(c)AFP/Claire Rosemberg

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