【5月24日 AFP】英大衆紙の記者2人がエリザベス女王(Queen Elizabeth II)の運転手に現金を渡してバッキンガム宮殿(Buckingham Palace)に侵入し、1人は女王の自動車の座席に座っていたことが23日、明らかになった。警察は警備の不備を懸念している。

 英大衆紙ニューズ・オブ・ザ・ワールド(News of the World)によると、中東の裕福な実業家になりすました記者2人が22日、運転手に1000ポンド(約15万円)を渡して宮殿に入った。

 その際2人は制服警察官の詰所のそばを堂々を歩いたが、調べられることは一切なかったという。

 運転手は女王が公式行事で使用するベントレー(Bentley)だけでなく、女王の体格に合わせて床が高くなっているプライベート用の2005年型ダイムラー(Daimler)やアン王女(Princess Anne)のグリーンのベントレーも見せてくれたという。同紙はこの時エリザベス女王はバッキンガム宮殿にいたとしている。

 バッキンガム宮殿の広報は、警備上の問題はすべて重く受け止めており、この件についても調査するとしている。ロンドン警視庁も警備状況について宮殿と協議するとの声明を発表した。

 バッキンガム宮殿はこれまでにも何度かジャーナリストの侵入を受けている。2003年には身分を偽って宮殿の職員に採用された大衆紙デーリー・ミラー(Daily Mirror )の記者が、女王が朝食をとる部屋や英国訪問を控えていた当時のジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領夫妻が宿泊する予定の部屋に侵入した。

 2004年には大衆サン(Sun)の2人の記者が、チャールズ皇太子(Prince Charles)とカミラ夫人の結婚式の数日前に警備のほころびをついて偽の爆弾を宮殿に持ち込んだと主張した。

 2003年にはコメディアンのアーロン・バーシャク(Aaron Barschak)氏が、アルカイダ指導者ウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者のふん装をしてウィリアム王子(Prince William)の21歳の誕生パーティに乱入している。(c)AFP