【5月20日 AFP】人工飼育されて世界の人気者になったベルリン動物園(Berlin Zoo)のホッキョクグマ「クヌート(Knut)」をめぐる争いが、法廷に持ち込まれた。

 クヌートの父親「ラース(Lars)」を同動物園に貸し出したドイツ北部ノイミュンスター動物園(Animal Park Neumuenster)は19日、ベルリン動物園を相手取り、クヌート人気で得た利益の配分を求める訴えを起こした。ベルリン動物園は、2007年にクヌートが脚光を浴びると、来場者の激増や関連商品の販売などにより、大きな利益をあげていた。ノイミュンスター動物園は、クヌートの所有権も主張している。

 ベルリンの裁判所の広報官によれば、裁判では、まずベルリン動物園に対しクヌート人気で得た利益の開示要求がされるとともに、双方の和解が目指される。和解に至らなければ、配分が要求されることになるという。

 ベルリン動物園は、「ホッキョクグマの相場」である35万ユーロ(約4600万円)でクヌートとラースの所有権を購入したいと提示しているが、ノイミュンスター側は50万ユーロ(約6500万円)を求めている。

 両者は2か月間で和解を探ることになるが、決裂すれば9月1日に裁判所から裁定が下される。(c)AFP