【5月17日 AFP】スリランカの反政府勢力「タミル・イーラム解放のトラ(Liberation Tigers of Tamil EelamLTTE)」は17日、ウェブサイト上に声明を発表し、タミル人の独立国家樹立を求めた37年間の戦いの敗北を認めた。

 数十年に及んだ政府に対するLTTEの武装闘争では、交戦や自爆攻撃、爆撃、暗殺などにより7万人を超える死者を出した。

 敗北宣言直前、わずかに残ったLTTEの戦闘員らは、政府軍によってジャングルに追い込まれ、包囲された。

 声明はLTTEの国際関係担当官の名前で、LTTE系ウェブサイト「タミルネット(Tamilnet.com)」に発表され、「われわれの戦いは苦い結末を迎えた。最後に残された選択は、われわれの民族を殺す口実を敵から奪うことだ。そして武器を置くことにした。後悔されるのは失われた命と、さらに抵抗して持ちこたえられなかった点だけだ」と記されている。

 わずか2年前には、LTTEの支配地域は島国であるスリランカ全土の三分の一近くにも及び、独自の裁判所や学校、行政サービスを保持する実質的な自治国家ともいえる状態にあった。

 しかし、マヒンダ・ラジャパクサ(Mahinda Rajapakse)大統領が政権に就くと、政府は大規模な軍事攻撃を開始。LTTEを最初は東部から、さらに北部から追放し、残留したゲリラ部隊を最後は沿岸部に追い込み捕捉した。(c)AFP/Amal Jayasinghe