【5月14日 AFP】政府軍と反政府勢力「タミル・イーラム解放のトラ(Liberation Tigers of Tamil EelamLTTE)との戦闘が続くスリランカ北東部で、推定5万人以上の民間人が足止めされ人道的危機が高まっている問題で、国連安全保障理事会(UN Security Council)は13日、こうした状況に「重大な懸念」を表明した。

 安保理は、この問題について非公開の討議を行い、その後、ロシアのビタリー・チュルキン(Vitaly Churkin)国連大使が、安保理理事国15か国は「スリランカ北東部における人道的危機の高まりに、重大な懸念を表明する。ここ数日は数百人の民間人が犠牲になっているとの報道には特に懸念を持っている」との声明を発表した。

 また、「数年間にわたるテロ活動や民間人を人間の盾として使っていること」についてLTTEを「強く非難」したほか、スリランカ政府がテロとの戦いを行う権利の正当性を認めた。

 安保理理事国は、LTTEに対し、武装を解除し、紛争地帯にいる数万人の民間人を解放するよう求める一方、「スリランカ政府が民間人が多数集まっている地域で重火器を使用し続けている」との報道についても「強い懸念」を表明した。

 今回の声明は拘束力はないものの、スリランカ情勢が悪化して以来、安保理が発表した最も強い調子の声明となった。(c)AFP