【5月8日 AFP】6日に行われた欧州チャンピオンズリーグ2008-09（UEFA Champions League 2008-09）準決勝、チェルシー（Chelsea）対FCバルセロナ（FC Barcelona）第2戦終了後、試合を裁いたトム・エブレベ（Tom Ovrebo）主審に対して激しく抗議したチェルシーのディディエ・ドログバ（Didier Drogba）が謝罪した。

　主審への抗議後にドログバは、テレビカメラに向かって汚い言葉で主審を侮辱、試合の生中継を行っていたテレビ局の出演者が視聴者に対して（汚い言葉が中継されたことに対する）謝罪するなど、欧州サッカー連盟（UEFA）から厳しい制裁措置を受けると見られている。

　チェルシーの公式ホームページに掲載された声明でドログバは、「試合中に起きたことについてとても腹を立てていたが、テレビを見て過度に反応していたことを認める。そして、自宅のテレビで観戦していた人、特に子供たちに対して模範とならない言葉を発してしまったことも認める。その場の勢いとはいえ、信じられないような失意と落胆をこういった形でさらけ出したことを後悔しているし、それについて謝罪したい」と語っている。

　元国際審判員グラハム・ポール（Graham Poll）氏によると、逆上したファンの報復を避けるため当局はエブレベ主審の宿泊ホテルを変更し、その後は主審の速やかな出国が準備されたという。ポール氏は、「彼は警察の護衛付きで密かに出国した。あるサッカーの試合の一人の審判であるというのに。不名誉なことだ」と語っている。
　
　エブレベ氏の置かれた状況は、2004-05シーズンの決勝トーナメント1回戦でのFCバルセロナとチェルシーの試合後にサッカー界から身を引いた元審判のアンデルス・フリスク（Anders Frisk）氏と類似している。(c)AFP