【5月6日 AFP】パキスタンでイスラム原理主義組織タリバン(Taliban)が勢力を拡大していることを受け、スワト渓谷(Swat)では5日の時点で、住民ら4万人以上が避難している。パキスタン政府は50万人分のテントを準備しているという。同地区では政府側とタリバン側との衝突が起きており、政府が武装勢力との間に結んだ和平協定は崩壊する懸念が高まっている。

 同地区の情勢悪化により、パキスタンのアシフ・アリ・ザルダリ(Asif Ali Zardari)大統領は滞在中の米ワシントンD.C.(WashingtonD.C.)で5日深夜、6日に行われるバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領との初会談を前に、「山1つがあるグループや他のグループに乗っ取られても、わが政府は崩壊しない」と米CNNに述べるなど弁明に追われた。

 一方、米政府は、タリバンと国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系の武装勢力がパキスタンの存在を脅かしているとして懸念を強めている。

 地元政府高官らによると、5日深夜、政府側とタリバン側が再び衝突し、スワト地区の中心都市ミンゴラ(Mingora)では、タリバンが夜間禁止令を破り、政府関連施設を占拠したという。

 スワト地区の中心都市ミンゴラ(Mingora)では、人びとが家畜などを連れ軽トラックなどに乗り急ぎ避難する姿が見られている。(c)AFP/Lehaz Ali