【4月27日 AFP】米政府は26日、5つの州で20人の豚インフルエンザ感染が確認されたことを受け、公衆衛生に関する緊急事態を宣言した。

 豚インフルエンザによるとみられる死者は、メキシコで26日までに86人に上り、うち20人から豚インフルエンザ・ウイルスが検出されている。また、カナダで6人の感染が確認されたほか、スペイン、ブラジル、コロンビア、オーストラリアでも感染が疑われるケースが報告された。

 こうした中、ジョン・ブレナン(John Brennan)大統領補佐官(国土安全保障担当)は、バラク・オバマ(Barak Obama)大統領が感染拡大の防止に向け、関係機関に「積極的かつ協調のとれた対策」をとるよう指示したことを明らかにした。

 疾病対策センター(Centers for Disease Control and PreventionCDC)のリチャード・ベッサー(Richard Besser)所長代行は記者会見で、これまでにニューヨーク市(New York City)で8人、カリフォルニア(California)州で7人、テキサス(Texas)州で2人、カンザス(Kansas)州で2人、オハイオ(Ohio)州で1人の感染が確認されたことを明らかにした。米政府は現在のところメキシコへの渡航制限・中止勧告を出していないが、同氏は、「状況に応じて」警戒態勢を強化していくと述べた。

 ジャネット・ナポリターノ(Janet Napolitano)国家安全保障長官は、国が備蓄するインフルエンザ治療薬のタミフル(Tamiflu)とレレンザ(Relenza)1200万人分のうち4分の1を、感染者が出た州に重点的に配布すると発表した。(c)AFP