【4月24日 AFP】第2次大戦中、麻生太郎(Taro Aso)首相の親族が経営していた旧「麻生鉱業(Aso Mining)」の炭鉱で強制労働をさせられていたオーストラリア人の元捕虜が、麻生首相に対し謝罪と補償を求める共同書簡を送った。豪オーストラリアン(Australian)紙が24日、報じた。

 手紙を送ったのは、ジョン・ホール(John Hall)、ジョー・クームス(Joe Coombs)、アーサー・ギガー(Arthur Gigger)の3氏。

 3人は共同書簡の中で、麻生首相に対し、当時の虐待行為とその事実を認めなかったことについて、個人的な謝罪を求めている。また、「過去の不法行為に対する救済についての国際的な基準に沿った金銭的補償」も主張しているという。

 その上で、「こうした手続きをとることは、あなた自身やあなたの親族企業、そして日本にとって正しい道だ」としている。

 福岡県にある麻生鉱業の吉隈炭坑では、オーストラリア人捕虜197人を含む300人の連合国捕虜が働かされていた。

 3人は、定期的に落盤事故が起こっていた、息が詰まるほど暑苦しい炭坑内で、腰布一枚だけを身につけ1日12時間勤務を強いられていたと語っている。ノルマが達成できなかった場合は、殴打されたという。

 88歳になるクームス氏はオーストリアン紙に対し、「(補償金は)わずかでもかまわない。彼らは炭坑から利益を得、われわれは働いた。われわれが受け取ることができるせめてもの補償だ」と語った。(c)AFP