【4月22日 AFP】(写真追加)韓国の研究チームは22日、人間への臓器移植に適するよう遺伝子操作されたブタのクローンに成功したと発表した。

 研究チームを率いるLim Gio-Bin氏によると、3日に生まれたクローンブタは、拒絶反応の引き金となる「アルファガラクトース(alpha-gal)」に関連する遺伝子を欠損するよう、遺伝子操作が行われた。

 韓国政府の資金提供を受けて大学4校と研究所2施設から集まった科学者らは、通常よりも小さいサイズのブタの幹細胞を使い、遺伝子操作された「ミニブタ」のクローンを作成した。

 これまで、ヒトへの臓器移植では拒絶反応が大きな障害となっていた。

 ブタの臓器は、ヒトへの移植に適するものの、ヒトの拒絶反応を引き起こす糖分子に覆われている。そのため、ヒトの抗体が反応し、移植されたブタの臓器は即座に破壊されてしまう。

 Lim氏はAFPに対し、「100頭のブタからミニブタ4頭を作成し、そのうちXenoと名づけられたオスのブタのみが生き残った」と述べた。現在は、メスのクローンブタの作成に取り組んでいるという。「(この2頭を)交配することで、異種移植に適した遺伝子組み換えミニブタを多数作成することができるようになる」

 2002年に米科学者らは、糖生成に関する遺伝子の一方の複製を不活性化させる方法をとったが、Xenoもほぼ同様の技術で作成された。

 Lim氏らの研究チームは、ヒトへの臨床試験を2012年に実施する。2017年までには遺伝子組み換えミニブタの商業利用が可能になる見通しだという。(c)AFP