【4月19日 AFP】米ニューヨーク・タイムズ(New York Times)紙は18日、米当局が国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の幹部だとして拘束したアブ・ズベイダ(Abu Zubaydah)容疑者に水責めなどの過酷な尋問が行われたのは、米中央情報局(Central Intelligence AgencyCIA)幹部の命令がきっかけだったと報じた。

 同紙は、複数の匿名の元情報機関職員の証言や、先ごろ公表された尋問手法に関する4つの覚書の脚注を取り上げ、現場の尋問官らはズベイダ容疑者は知っていることをすべて供述したとみていたにもかかわらず、過酷な尋問方法を用いるよう命令されたと報じた。

 2002年に拘束されたズベイダ容疑者については、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)前米大統領がアルカイダの作戦部門の責任者だと公言していたほか、複数の政権幹部もアルカイダ指導者ウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者の「信頼のおける同志」で、01年9月11日の米同時多発テロの首謀者の1人だと呼んでいた。

 同紙は、ズベイダ容疑者に対する過酷な尋問は、同容疑者の重要性を過大評価したCIA本部によって命じられたものだとしている。また、ズベイダ容疑者は通常の尋問の段階で重要な情報を供述していたため過酷な尋問の成果は特になく、むしろその様子を見ていた尋問官の方が大きな苦痛を感じたという。

 ある情報機関職員の証言によると、過酷な尋問に効果があると信じていた人びとでさえ、「人間の惨めさ、尊厳のなさを示す一連の尋問を見て、精神的ショックを受けていた」という。

 一方、米ワシントン・ポスト(Washington Post)紙は、CIAがズベイダ容疑者の尋問を行うにあたり、まず同容疑者に接触する人物をCIAの尋問官と心理学者の2人に限定していたと報じた。

 記事によると、この心理学者は尋問を行う上できわめて重要な役割を果たしたとみられている。さきごろ公表された尋問手法に関する4つの覚書によると、この心理学者はズベイダ容疑者を精神的・肉体的に追い詰める尋問手法について、アイデアを出したり実践的な助言を与えたりしたほか、その法的正当性にまで言及していたという。

 ワシントン・ポスト紙は、睡眠の遮断や水責め、狭い箱に昆虫とともに閉じこめるなどの尋問手法が許容範囲内だとみなされた理由の1つは、この心理学者の助言だったと伝えている。(c)AFP