【4月15日 AFP】(一部更新、写真追加)クレオパトラ(Cleopatra)とその恋人で共和制ローマ末期の軍人・政治家のマルクス・アントニウス(Mark Antony)の墓が、近く発見される可能性がある。調査隊を率いるエジプト考古最高評議会(Egyptian Supreme Council of AntiquitiesSCA)事務局長のザヒ・ハワス(Zahi Hawass)博士らが15日、明らかにした。

 調査隊はこのほど、エジプト・アレクサンドリア(Alexandria)西部の神殿タップ・オシリス・マグナ(Taposiris Magna)で3年間続けていたレーダー調査を終了した。

 同評議会によると、調査隊は来週、レーダー調査で「2人の墓がある可能性」が確認された神殿付近の3か所で、発掘調査を開始するという。

 ザヒ博士と共に調査隊を率いるドミニカ共和国のエジプト学者、キャスリーン・マルチネス(Kathleen Martinez)氏は、「クレオパトラとアントニウスが一緒に埋葬されたことは帝政ローマの伝記作家、プルタルコス(Plutarch)の著作にも記されている」と語る。

 発掘予定地の付近ではこれまでに、27基の墳墓からミイラ10体が発見されている。うち2体には金箔(きんぱく)が貼られるなど、ミイラは高貴な人物のものと思われ、クレオパトラとアントニウスの墓が近くにある可能性を示しているという。

 また、調査隊はこの付近でクレオパトラの顔が彫られた銅製のコイン22枚、雪花石こうでできたクレオパトラの頭部の彫像なども発見している。

 英ニューカッスル大学(University of Newcastle)は2007年、古代ローマの銀貨に彫られた顔から、「クレオパトラの顔は大きくてかぎ鼻。絶世の美女とは言い難い」との研究結果を発表しているが、ザヒ博士は新たに発見されたコインや彫像などから、「クレオパトラは美人だった」と主張している。(c)AFP/Rayad Abou Awad