【4月6日 AFP】スリランカ政府軍が5日、北東部で抵抗を続ける反政府勢力「タミル・イーラム解放のトラ(Tamil TigerLTTE)」に対する新たな掃討作戦で少なくとも420人の戦闘員を殺害したと発表したことを受け、同国のマヒンダ・ラジャパクサ(Mahinda Rajapakse)大統領は同日、LTTEに完全降伏を呼びかけた。

 軍の最高司令官でもある大統領はこの日、大統領官邸に集まった支持者らに対し、LTTEはまもなく壊滅する演説した。なお、休戦の呼びかけには応じないとし、LTTEに対し武装解除と「人間の盾」にされている住民らの安全確保を求めた。

 政府軍報道官はこれに先立ち、LTTEとの戦闘で、5日までの3日間に戦闘員420人以上の死亡を確認したと発表した。LTTEはこの数か月間でジャングルの狭い地域に追い込まれており、軍は完全制圧は近いと見ている。その場合、1972年以来続いてきたLTTEとの戦闘にようやく終止符が打たれることになる。

 また、陸軍のサラス・フォンセカ(Sarath Fonseka)司令官(中将)は英字紙「Sunday Observer」に対し、LTTEの支配地域で「人間の盾」にされてきた住民数万人がまもなく救出される見込みだと語った。

 国際社会はこれまで、こうした住民たちが避難できるよう休戦すべきだと主張してきたが、スリランカ政府はLTTEが降伏するまでは停戦しないとの立場を貫いてきた。(c)AFP/Amal Jayasinghe