【3月28日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は26日、ホワイトハウスのイーストルーム(East Room)で初の「オンライン・タウンミーティング」を行い、一般の人の質問に答えた。この模様はホワイトハウスのウェブサイトwhitehouse.govで生中継された。

 9万2925人がホワイトハウスのウェブサイトを通じて計10万4129の質問を寄せた。また自分の好きな質問に投票することもでき、約36時間の制限時間内に360万7837人が投票した。人気があった質問の上位10位を大学の学費を安くすることや、公立学校の改善、教師の給与を上げることなど、教育関連の質問が独占した。

「私が大統領に立候補した時、ホワイトハウスをアメリカの人々に開かれたものにすると約束しました。これはその目標に向けた重要なイベントです」と述べたオバマ大統領はマイクを持って室内を歩き回りながら質問に答えた。

 司会役を務めたジョー・バイデン(Joe Biden)副大統領の首席エコノミスト、ジャレド・バーンスタイン(Jared Bernstein)氏が質問を選んで読み上げた。選ばれた質問はイーストルームの隅に設置された巨大スクリーンに表示された。

 オバマ大統領はオンラインで寄せられた6つの質問に答えた。うち2つは動画で寄せられた。さらにイーストルームに招待された教師、看護師、中小企業オーナー、地域のリーダーなど100人からの6つの質問にも答えた。

 オバマ大統領は、投票で人気を集めたもののバーンスタイン氏が取り上げなかった「マリファナを合法化すれば経済の活性化と雇用創出につながると思うか」という質問を自ら取り上げ、「いかがなものかとは思うが、この質問はインターネットユーザーに人気があるようなので…」と笑わせたうえで「ノー」と述べた。

 政治と科学技術についてのブログTechPresident.comの共同創立者アンドリュー・ラーシェイ(Andrew Rasiej)氏は、今回のイベントを大恐慌(Great Depression)のころ当時のフランクリン・ルーズベルト(Franklin Roosevelt)大統領が行った『炉辺談話(Fireside Chat)』と呼ばれるラジオ演説と比較する。

「主要メディアによる取捨選択や編集を経ずに、大統領が国民に直接語りかけることができる『21世紀版炉辺談話』の誕生につながる大きな出来事だ。21世紀型の直接民主主義がすでに存在していることをホワイトハウスが認識していることも大きい。是非恒例のイベントにすべきだ」(ラーシェイ氏)(c)AFP/Chris Lefkow