【3月28日 AFP】キプロスの警察は27日、国際窃盗団ピンクパンサー(Pink Panther)の一員とみられるモンテネグロ国籍のリファト・ハジアフメトビッチ(Rifat Hadziahmetovic)容疑者(41)を逮捕したと発表した。

 警察によると同容疑者は18日、ブルガリアの偽造パスポートを使ってキプロスから出国しようとした際、スペインで逮捕状が出ていることが分かったという。

 ハジアフメトビッチ容疑者はスペインのテネリフェ(Tenerife)で高級時計や宝石を盗んだとして指名手配されていた。国際刑事警察機構(International Criminal Police OrganizationICPO、インターポール)がキプロス警察に連絡したところによると被害金額は時計だけで66万ユーロ(約8600万円)。

 同容疑者は、バーレーン、日本、スペイン、アラブ首長国連邦(UAE)で合計数百万ユーロ(数億円)相当の宝石が盗まれた事件に関しても指名手配されていた。警察は同容疑者がキプロスで最近起きた連続宝石店強盗に関与した可能性もあるとみている。ハジアフメトビッチ容疑者は容疑を否認している。

 キプロス中南部、ラルナカ(Larnaca)の地方裁判所は27日、スペインに強制送還するまで同容疑者の身柄を拘束するよう命じた。

 ピンクパンサーの実態は謎に包まれているが、過去10年間、世界各地で120件、被害総額1億1000万ユーロ(約143億円)の武装強盗に関与した疑いがもたれている。名前の元である宝石泥棒が登場するコメディー映画とは異なり、綿密な計画をたて、無慈悲なプロフェッショナリズムのもと犯行を繰り返している。

 欧州、日本、アラブ首長国連邦の警察は今月、ピンクパンサーのメンバー逮捕に向けてモナコ公国で会合を開いた。ICPOは2007年7月にピンクパンサー対策室を設置している。(c)AFP

【参考】ICPOのプレスリリース(英語)