【3月24日 AFP】インドの自動車大手タタ・モーターズ(Tata Motors)は23日、世界で最も低価格の自動車「ナノ(Nano)」の発売を発表した。同社はナノで、数百万人の人びとの交通手段を激変させるとともに、世界的な金融危機による自動車業界の販売不振を打開したい構えだ。

 ムンバイ(Mumbai)の競技場で行われた発表会では、「国民車」と言われるナノ3台が発表された。タタによると、ナノのベーシックモデルは、工場直送の場合は税金・輸送費抜きで10万ルピー(約19万円)になるという。最低店頭価格は、11万2735ルピー(約21万6700円)になるという。

 販売担当者によると、4月9-25日に購入予約を受け付けるという。その後、購入申込者の中から抽選で10万人が最初の購入者になるという。納車は7月上旬から開始されるという。ナノについては、インドの富裕層からの注目も高いという。

 ナノは、全長約3メートルで、最高時速105キロ、2気筒エンジンの4速マニュアル・トランスミッション。エアコンやパワーウインドウ、パワーステアリングは標準装備していない。エアコンやパワステを装備したデラックスモデルもあり、工場直送の場合で17万335ルピー(約32万7000円)、店頭価格で18万5375ルピー(約35万6000円)だという。(c)AFP/Salil Panchal