【3月19日 AFP】中国の科学者らが、同国北部の易県累層(Yixian Formation)で2000年代初めに発見された羽毛に覆われた小型の草食恐竜の化石は、これまで最古の鳥類と考えられてきた約1億5000万年前のジュラ紀後期の始祖鳥よりも、前の年代のものだと発表した。化石は「孔子天宇龍(Tianyulong confuciusi)」と命名された。

 化石を発見した山東(Shandong)省の天宇自然博物館(Tianyu Museum of Nature)の研究チームによる論文は、18日付の科学誌「ネイチャー(Nature)」に掲載された。

 発見は、羽毛のある鳥類や、うろこに覆われたは虫類の進化系統が異なる系統樹だとの定説に、一石を投じるものとなりそうだ。

 約2億年前の恐竜は、長い首を持つ竜脚類恐竜や肉食の「ティラノサウルス・レックス(Tyrannosaurus rex、T・レックス)」、原始鳥類などの竜盤類と、頑丈な皮膚を持つトリケラトプス(Tricerotps)やステゴサウルス(Stegosaurus)などの鳥盤類の二系統があると考えられている。

 「孔子天宇龍」の特徴は、鳥盤類のものと完全に一致していることから、古生物学者は、2系統の恐竜は同じ祖先から分化したものなのか、それとも、異なる系統の恐竜に進化の過程で羽根のような付属部位が単独に出現し、現代の鳥類に至ったものなのか、検証が必要となるだろう。(c)AFP/Marlowe Hood