【3月5日 AFP】世界自然保護基金(World Wildlife FundWWF)は5日、これまで撮影が困難だった絶滅危惧(ぐ)種のジャワサイの様子を撮影した映像を公開した。ジャワサイは全世界で60頭未満しか生息しておらず、ほ乳類で最も絶滅する危険性が高い動物とみられている。

 映像を公開したWWFは、インドネシアのジャワ(Java)島西端のウジュン・クロン国立公園(Ujung Kulon National park)で約20年間にわたってジャワサイの監視を続けてきた。

 公開された映像では、複数の沼地で泥遊びするジャワサイの母子と体の大きなオスが映っており、これまでに研究者も知らなかった行動が明らかになった。それぞれのサイの個体の識別にも役立ったという。

 また、夜に撮影された記録映像では、メスのサイが沼地からブタを追い出す様子が撮影された。

 ジャワサイは最大で重さ2300キロ、全長3メートルにもなる。

 撮影には、動きを検知して自動撮影を開始する赤外線センサーを搭載したビデオカメラ34台が使用され、サイの生息地と思われる全域にきめ細かく設置された。

 たいていの場合、サイは沼地を見渡せる森の中に隠れていた。公開された映像のほとんどは、サイが沼地の中を歩いたり転げ回る様子だった。

 WWFのアジア地域のサイの担当コーディネーター、クリスティー・ウィリアムス(Christy Williams)氏は、「ビデオには動物の子どもがたくさん映っているが、サイの子どもはあまり多くない。子育てが行われている痕跡はあるが、まだ十分とは言えない」と語った。「健康なジャワサイの頭数は、1年あたり7%ずつ、つまり年間で3、4頭ずつ増えているはずだが、ここでは4、5年に3、4頭しか増えていない」(c)AFP