【2月27日 AFP】前月8つ子を産んだ米カリフォルニア(California)州のナディア・スールマン(Nadya Suleman)さん(33)をめぐり、出演料100万ドル(約9800万円)でのポルノ映画出演など、アダルトエンターテインメント業界のライバル企業らが提案合戦を繰り広げている。

 前月8つ子を産み、医学界やメディアで論争の中心人物となったナディアさんは、今度はポルノ業界のPR合戦に巻き込まれている。

 ロサンゼルス(Los Angeles)に本社のある世界最大のアダルト映像制作会社「ビビッド・エンターテインメント(Vivid Entertainment)」は、無職のナディアさんに対し、100万ドルの出演料と健康保険の提供を条件にポルノ映画の出演をオファーしたと発表した。

 ビビッド社のスティーブン・ハーシ(Steven Hirsch)共同代表は、「ナディアさんに対しては非常に大きな関心が集まっている。われわれはその関心をカネに換える手伝いをして、彼女の銀行口座にかなりの量の現金を振り込むことができる」と述べた。

 このオファーに対し、ライバル会社のピンク・ビジュアル(Pink Visual)が「待った」をかけた。ピンク・ビジュアルは、ナディアさんに対し、ビビッド社のポルノ映画への出演を拒否すれば、1年分のおむつを8つ子全員分提供すると発表したのだ。

 ピンク・ビジュアルのキム・カイサー(Kim Kysar)マネージャーは、ナディアさんに送った手紙で、「社会的責任」を示すためにこの提案をしたと述べ、「(ポルノ出演は)まず、あなたにとって得策とは言えないし、そしてさらに重要なことに、あなたがポルノ女優になることは子どもにとって良いことでない」と述べた。

「ご存じの通り、ポルノ女優になることによって、非常に大きな汚名を着せられることになる。母親が気軽にやっていいことではない。出演は、子どもの人生にきっと影響を与えることになる。それもプラスではない方向で」(キム・カイサー氏)

 ピンク・ビジュアル社は、「本物の布おむつ」を1年分提供すると述べた。

「100万ドルの提案とはいかないが、この提案はあなたの子どもたちに2つの利益をもたらす。まず、清潔でむれていないおむつが確保されること。そして、子どもたちの母親が、永遠に続く冷笑の対象とならずに済むことだ」(キム・カイサー氏)(c)AFP