【2月20日 AFP】米紙ニューヨーク・ポスト(New York Post)が18日掲載したサルを描いた政治風刺漫画をめぐり、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領に対する人種差別だとの非難が高まっている。  19日には、同紙の廃刊を訴える人々が同紙を所有するメディア大手ニューズ・コーポレーション(News Corp)前で、数百人のデモ隊が「イエス・ウィー・キャン、廃刊させろ」と叫んで抗議した。  この風刺漫画は、18日付のニューヨーク・ポスト紙の12面に掲載されたもので、警官がサルを撃ち殺す様子が描かれている。16日にコネティカット(Connecticut)州で起きた、女性に大けがをさせたチンパンジーを警官が射殺した事件を題材にしたものだ。  ところが、拳銃を構えた警官の隣にいるもう1人の警官が、「これであいつらは、次の景気対策法案を起草する人物をまた探さないといけないな」と言っている。  この漫画について、黒人運動指導者のアル・シャープトン(Al Sharpton)牧師は18日、前日にオバマ大統領が承認した景気対策法をやゆしたもので、アフリカ系アメリカ人をサルに例える古典的な米国の人種差別手法だとの見方を示した。  また、ニューヨーク市のブルックリン(Brooklyn)地区選出の民主党のエリック・アダムズ(Eric Adams)上院議員も、19日に市内で行われた別のデモで、「米国人は、母国の名誉ある人物を選出するために投票へ行ったのであって、サルを選んだわけでもなければチンパンジーでもない」と述べた。「ちっとも面白くない。漫画でもない。むかつくほど最低なものだ」。  ニューヨーク・ポストのコル・アレン(Col Allen)編集主幹は、「最新ニュースをはっきり風刺したもの」だと反論、シャープトン牧師の主張は「便乗した宣伝にすぎない」と評している。(c)AFP