【2月16日 AFP】天の川銀河に隣接した銀河には、生命が維持される条件を備えた地球のような惑星が多数存在する――ただ、それらの惑星はまだ見つかっていない。米イリノイ(Illinois)州シカゴ(Chicago)で12日から開催されていた米国科学振興協会(American Association for the Advancement of ScienceAAAS)の年次総会で、米国の天体物理学者らがこのような見解を示した。

 カーネギー科学研究所(Carnegie Institution for Science)の天体物理学者、アラン・ボス(Alan Boss)氏は、総会で「太陽から30光年以内には太陽型の恒星が数十個存在する。そのうちの約半数は地球に似た惑星を持っているかもしれない。今後、そのような惑星が発見される可能性は非常に高いのではないか」と発表した。

 同氏は、地球に似た惑星は、米航空宇宙局(NASA)が来月5日に打ち上げるケプラー宇宙望遠鏡または2006年に打ち上げられたフランスの天文衛星コロー(COROT)により発見されるのではと期待を寄せている。

 カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley)のレイモンド・ジーンロッツ(Raymond Jeanloz)教授(天文学、地球・惑星科学)は、さらに踏み込んで、生命体の存在の可能性も示唆した。

「地球に存在するのと全く同じ生命の基本構成要素が(ある惑星に)存在するのであれば、ゲノムを基にしたわれわれの理解からして、(その惑星に)生命が存在するのはある意味『不可避』だ」

 教授は、生命体の有無ではなく、生命体が「われわれと意思の疎通ができるような高度なもの」なのか、「地球上の化石に記録されているような大量に存在する微生物」なのかの違いの問題だとも付け加えた。

 地球外文明の可能性に関する研究について、ボス氏は「興味深いし、重要だ。成功の見込みが少ない中で何かを発見できた場合、重大な発見となり得るのだから」と、意義を肯定した。(c)AFP/Jean-Louis Santini