【2月12日 AFP】キューバで発見された米国の文豪アーネスト・ヘミングウェー(Ernest Hemingway)が自分の人生について赤裸々につづった数千通の書簡について、研究を進めているキューバ人専門家らのインタビューが11日、現地紙に掲載された。

 キューバにあるヘミングウェーの旧邸宅「フィンカ・ビヒア(Finca Vigia)」を利用したヘミングウェー博物館のキュレーター、ロサルバ・ディアス(Rosalba Diaz)氏は、未公開のこれらの書簡3000ページ以上をデジタル化する作業を行っている。

 ディアス氏はフベントゥ・レベルデ(Juventud Rebelde)紙の取材に応え、「これだけたくさんの手紙が見つかったときには鳥肌が立った。ワイルドな男性というイメージを覆す内容もだ」と語った。ディアス氏によれば、ヘミングウェーの生活ぶりを新たにひもとくような大きな発見はないが、ヘミングウェーがキューバで孤独になろうとしたができなかったことや、ヘミングウェーの真の姿がわかるという。

『誰がために鐘は鳴る(For Whom the Bell Tolls)』や『武器よさらば(A Farewell to Arms)』などの名作を残したヘミングウェーは、1940年から60年までキューバで暮らした。そのキューバ時代に『老人と海(The Old Man and the Sea)』を執筆し、1954年のノーベル文学賞を受賞している。

 ヘミングウェーはハバナ(Havana)市内のバーやレストランを頻繁に訪れていた。それらの店は現在、キューバの観光名所となっている。

  1961年にヘミングウェーが米アイダホ(Idaho)州で自殺した後に、旧邸宅フィンカ・ビヒアはキューバ当局の管理下に置かれた。2003年の米国とキューバ間の画期的な合意に基づき、改修工事やヘミングウェーが残した文書類の保存活動が行われている。(c)AFP