【2月11日 AFP】米国防総省の報告書によると、2003年のイラク戦争開戦以降、米軍兵士の肥満が2倍に増加した。兵士の肥満増加は、米国平均の傾向を反映している一方、海外派遣によるストレスの影響も大きいという。

 米国防総省が1月に発表した報告書によると、「過去10年間にわたって、現役兵士の中で肥満で治療を受けた者の割合が増加を続けている。また、03年以降、増加幅も拡大している」という。

 肥満と診断された兵士の数は、1998年には兵士全体の1.6%にあたる2万5652人だったが、2003年には3万4333人(2.1%)に増加し、08年には03年の倍となる6万8786人(4.4%)に増加した。

 05年に行われた米軍兵士への調査結果によると、「体重増加の原因として最も多かったのは、ストレスと海外派遣からの帰還」だった。

 米軍の発表は、イラクやアフガニスタンへの派遣の長期化が、軍全体に疲弊をもたらしている兆候を示している。

 体重の増加以外にも、米軍の自殺者数も増加しており、07年の115人と比較し、08年は過去最多の143人となった。

 一方、米軍兵士の体重増加傾向は、米国平均の傾向を反映している。米国では、18-34歳の国民の20%が肥満とみられている。

 同報告書は、米国平均と同様、米軍内の肥満増加の最大の原因が、ファストフードの食生活と、体をほとんど使わないビデオゲームやテレビ、映画などといった娯楽にあると指摘。「肥満は軍作戦の効率を低下させる。そして、急性・慢性問わず健康に悪影響を及ぼす」ため、深刻な懸念材料だと警鐘を鳴らした。(c)AFP