【2月12日 AFP】35歳以上で初産を迎えた母親は、若い母親よりも産後精神病にかかる確率が2倍以上高いという調査結果が10日、米科学誌「Public Library of SciencePLoS)」に発表された。

 スウェーデン・カロリンスカ研究所(Karolinska Institute)は、1983-2000年に国内で初産を経験した約75万人のデータを基に調査を実施した。その結果、35歳以上の初産婦が産後90日以内に精神病を患った確率は、19歳以下の初産婦に比べて2.4倍も高いことが明らかになった。

 また、初産婦全体の80%が軽度の精神不安や軽いうつを経験しているのに対し、出産後1か月の間の産後精神病を患った人は約1000人に1人と低い確率だった。

 産後精神病は重度の精神障害と定義されており、妄想、幻覚、深刻な摂食・睡眠障害、自殺衝動などの症状を呈する。新生児に危害を加える場合も起こりうる。そのため抗精神病薬の処方や入院などの早急な処置が必要になる。 

 産後精神病を患った女性の大半は過去にも精神病歴があったが、そのとき「入院治療を受けなかった」人が約半数にも上っていた。要因に関しては、喫煙や子どもの父親と同居していないといった事柄は関係がなく、また糖尿病を患っている女性や高体重の赤ちゃんを産んだ女性ではリスクが少ないこともわかった。(c)AFP