【2月10日 AFP】マカオのカジノ王ことスタンレー・ホー(Stanley Ho)氏が、前年の経済危機で同氏の資産価値の89%が減ったと報じた雑誌記事に対し、「うちのカジノは今も毎日、新札を刷っているのと一緒だ」と冷やかし半分に反論した。9日、香港の英字紙サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(South China Morning Post)が伝えた。

 同氏の資産の価値が90億ドル(約8200億円)から10億ドル(約910億円)にまでも目減りしたと報じたのは、前週の米経済誌「フォーブス(Forbes)」 。一族が経営するカジノ企業「ソシエダーデ・デ・ジョゴス・デ・マカオ(Sociedade de Jogos de Macau)」の上場の不調ぶりが原因だと指摘した。

 この記事についてホー氏は「わたしたちのカジノ経営は新札を刷っているのと同じ。毎日刷っているのに、困窮することなんてない」と述べ、「けれど、これで寄付をくれと言われてもそんなにたくさん出す理由はなくなるから、フォーブスには感謝すべきだろうね。わたしを誘拐したいと考える人たちも、もうその考えは持たなくていい。わたしは一文なしなのだから」と皮肉った。

 アジア一と言われた大富豪のおいに当たるスタンレー・ホー氏は第2次世界大戦中、マカオから中国国内にぜいたく品を密輸して財を成した。マカオのカジノの独占運営権を得たのはポルトガル植民地だった1962年になってからだ。その後、輸送ビジネスや競馬などへと手を広げ、アジア最高の富豪の1人となった。プレーボーイぶりでも知られ、私生活では4人の妻と、少なくとも17人の子どもがいるとされる。(c)AFP