【2月8日 AFP】米カリフォルニア(California)州で開催されさまざまな分野の人物が集うTEDコンファレンス(TED Conference)で4日、米国の軍事研究者が、将来的にロボットが陸軍の主要な戦力を担うと発表した。

 発表をしたのは軍事研究者ピーター・シンガー(Peter Singer)氏。ロボット兵器は戦場で兵士の生命を守ることにつながるが、感情を持たない機械が戦闘行為という汚い仕事をすることで、敵意を増幅させ戦争を悪化させる可能性もあると指摘する。

 シンガー氏は2015年までに米軍部隊の戦力の半分は機械になると予言する。

 無人攻撃機や爆弾を扱うロボットは現代戦ではすでに一般的となっている。ロボットは哀れみや慈悲といった感情を持たないだけでなく、兵士に恐怖という感情をもたせなくなるという。

 ロボットは内蔵カメラで状況を正確に記録する。定期的に撮影されたデジタル映像は、動画共有サイト「ユーチューブ(YouTube)」にアップロードされ共有されている。米軍兵士はこれを「war porn(戦争ポルノ)」と呼んでいるという。

 シンガー氏はロボット兵器の出現で、「戦争がエンターテインメント化する一方で、観察する能力が高まるほど、実戦の経験は少なくなっていく」と語る。

 ロボット工学とテロ行為の間には物騒な関係も指摘されている。シンガー氏は、訪問者が自宅に居ながらにして離れた場所の簡易爆破物を爆発させることのできるウェブサイトさえ存在していることを明らかにした。(c)AFP