【2月3日 AFP】若年期にテレビやビデオゲームなどの電子メディアに接する時間が長いほど、うつを発症しやすくなるおそれがあるという研究が2日、医学誌「Archives of General Psychiatry」に掲載された。

 研究を行ったのは米ピッツバーグ大医学部(University of Pittsburgh School of Medicine)の研究チーム。まだDVDやインターネットが広く普及していなかった1995年。当時うつの症状がなかった10代の若者4142人について電子メディアに接する時間を調べた。その結果、1日の総接触時間は平均5.68時間で、内訳はテレビが2.3時間、ラジオが2.34時間、ビデオが0.62時間、コンピューターゲームが0.41時間だった。

 調査対象者の平均年齢が21.8歳に達した7年後に再調査したところ、308人(7.4%)にうつ病の症状がみられたという。

 研究チームは、統計モデルによる分析の結果、テレビの視聴時間が長いほどうつの発症頻度が高まることが分かったとしている。さらにテレビ以外も含めて電子メディアに接触した時間が長いほど、発症頻度が高かかったという。

 性別では、電子メディアへの接触時間が同じ場合、女性のうつ発症頻度は男性よりも低かった。

 調査チームは、電子メディアに長時間接することで、スポーツや社会活動、知的活動の時間が少なくなったのではないかと指摘し、達成感や社会との関わりを実感できるような活動をすることで、うつになりにくくなる可能性があるとしている。(c)AFP