【2月1日 AFP】マダガスカルの野党指導者で首都アンタナナリボ(Antananarivo)の市長、アンドレイ・ラジョエリナ(Andry Rajoelina)氏(34)は31日、同市で開かれた集会に集まった数千人の支持者を前に、自分が国家指導者であると宣言し、マルク・ラベロマナナ(Marc Ravalomanana)大統領の即時辞任を議会に求めると述べた。

 マダガスカルでは1月25日に暴動が起き、過去1週間で少なくとも68人が死亡した。28日にもデモが行われたが、暴動にはならなかった。

 一方、ラベロマナナ大統領は31日、アンタナナリボの大統領宮殿で会見し、依然として自分が大統領であり、国家の発展のために必要なことをしていくと述べた。ラジョエリナ市長への対応について問われると、「法務省と憲法裁判所がその任務を果たすだろう」と述べた。

 前年12月、当局がラジョエリナ氏が持つテレビ局Vivaを閉鎖し、アンタナナリボで抗議活動が起きたことをきっかけにラジョエリナ市長とラベロマナナ大統領の対立は一気に激しさを増した。このところラジョエリナ氏は大統領を独裁者と呼ぶなど、批判を強めている。

 野党を束ねる団体は30日声明を出し、ラジョエリナ氏を支持し、同氏が提唱する暫定内閣に賛成する声明を出した。ラジョエリナ氏は暫定政権は2年以内に大統領選挙を行うとしている。

 国連(UN)、米国、カナダはマダガスカルに事態の沈静化を呼び掛けている。(c)AFP