【2月1日 AFP】前月5日に経営破たんしたアイルランドのウォーターフォード・ウェッジウッド(Waterford Wedgwood)の従業員が、30日から同社キルバリー(Kilbarry)工場とウォーターフォード(Waterford)市のビジターセンターの占拠を続けている。
 
 管財人が生産の即時停止を発表したことを受けたもの。労働組合ユナイト(Unite)のアイルランド南東部支部のウォルター・カレン(Walter Cullen)氏は、会社の今後についての交渉が続いている間は工場閉鎖を撤回するよう求め、事態が打開するまで占拠を続けるとしている。

 経営難に陥ったウェッジウッドは買収先を探していたが失敗し、1月5日に破産申請に追い込まれた。その後管財人の管理下に入り、株式の取引も停止された。管財人は、生産停止は必ずしも将来における操業再開を排除するものではないとしている。

 カレン氏によれば管財人は米国の投資ファンドKPSキャピタル(KPS Capital)とクラリオン・キャピタル(Clarion Capital)との間で買収交渉を進めている。

 クリスタルガラス部門は同社でもっとも多くの人員を抱える部門の1つ。カレン氏は650人の従業員中、480人が解雇予告を受けたことを明らかにし、従業員の多くは40-50代のベテランで別の仕事を見つけることは難しいと述べた。
 
 ガラス製品の製造過程が見学できるウォーターフォード市のビジターセンターは年間30万人の観光客が訪れる観光の目玉になっている。ウォーターフォード市のジャック・ウォルシュ(Jack Walsh )市長は操業停止にショックを隠せないが、米ファンドによる買収によって施設の閉鎖が免れることに希望をつないでいる。

 アイルランドの製造業は世界的な経済危機の影響を大きく受けている。ブライアン・コーエン(Brian Cowen)首相は28日、同国の経済は2010年までに最大で10%縮小する可能性があると述べた。(c)AFP