【1月30日 AFP】中国のアクション俳優ジェット・リー(Jet Li)さんは29日、スイスのダボス(Davos)で開催中の世界経済フォーラム(World Economic Forum、ダボス会議)で行われた慈善活動に関する懇談会に出席し、世界的な経済危機の中での活動継続の重要性を訴えた。

 懇談会には、トニー・ブレア(Tony Blair)前英首相、ビル・クリントン(Bill Clinton)元米大統領、米ソフトウエア大手マイクロソフト(Microsoft)の創業者ビル・ゲイツ(Bill Gates)氏、バングラデシュの経済学者でノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス(Muhammad Yunus)氏らも出席した。

 リーさんは家族とともにモルディブのホテルに滞在していた2004年12月、約22万人の犠牲者を出したインド洋津波に遭遇し、危険な目に遭っていた。その後、自然災害の被災者援助を目的とした慈善団体「ワン・ファンデーション(One Foundation)」を設立し、慈善活動を行っている。

「私は今日ここに、募金ではなく、皆さんの心を求めに来た」と語ったリーさんは、経済状況が悪化する中でも慈善活動はできると訴えた。

「豊かな人も貧しい人も、世界を変えるために協力しなければならない。今日、1元の募金ができない人は、たとえ100万ドル持っていても同じ事を言うだろう」(リーさん)

 同席したブレア氏は、「経済危機が人びとに影響するように、慈善活動も影響を受けるだろう。しかし、そんな時こそ、慈善活動の重要性を強く訴えなければならない」と語りかけ、ゲイツ氏は、自身が設立した慈善団体への募金額は、経済危機の中にあっても減少していないことに言及した。

 クリントン氏とユヌス氏は、各国政府に対し、景気対策を決定するときは社会の最貧困層のことを考えるよう求めた。(c)AFP/Hui-Min Neo