【1月26日 AFP】「蛍の光」の原曲の作詞などで知られるスコットランドの詩人ロバート・バーンズ(Robert Burns)の生誕250周年に当たる25日、世界各地で祝いの催しが開かれ、スコットランド系の人たちが名物のスコッチ・ウイスキー、ハギス、そして詩でバーンズの偉業をたたえた。

 ご当地スコットランドから米国、中国、そしてアフガニスタンに至るまで、スコットランド人を祖先に持つ数百万の人びとはこの日、メインディッシュにハギスを食べる伝統の「バーンズ・サパー(バーンズの晩さん)」を楽しんだ。

 ハギスとは、羊の心臓や肺など内臓をミンチ状にしたものにスパイスやオートミールを混ぜ、羊の胃に詰めた料理で、カブやジャガイモを添えて食べる。バーンズの愛好家たちは、彼の書いた『ハギスに捧げる詩(Address To A Haggis)』を朗読してから食事を始めるのも、この夕食の伝統だ。

 スコットランド最大の都市グラスゴー(Glasgow)には、スコットランド全土から数千人が駆けつけた。グラスゴー大聖堂(Glasgow Cathedral)では記念礼拝が行われ、市庁舎では15分間の光と音のショーが上演された。

 1796年にバーンズが死を迎えた街ダンフリース(Dumfries)では25日夜、バーンズの有名な作品『シャンタのタム(Tam O'Shanter)』の人形を燃やす行事や、ランタンの行進などが行われた。

 スコットランド観光局(VisitScotland)によれば、カナダ、オーストラリア、香港、そして日本でもバーンズの生誕250周年が祝われたという。24日の夜には、バーンズのファンが立ち上げたウェブサイトを通して、「ロバート・バーンズの不滅の思い出」に乾杯し、世界で同時に乾杯をする人数の世界記録を更新しようという試みも行われた。

 1759年1月25日、つつましい農家に生まれたバーンズは37歳の若さで没したが、スコットランドの方言で、酒と女性、楽しい日々などについて、ときに下品なほどユーモアにあふれた詩でうたった。最も有名な作品は、大みそかに世界中の人が歌う「蛍の光」の原曲である「オールド・ラング・サイン(Auld Lang Syne)」の歌詞だろう。

 バーンズの肖像は英国の切手にもなっており、有名な詩「A Man's A Man For A' That」の一節とともに描かれたものもある。1795年に書かれたこの詩は、奴隷制廃止運動の聖歌となり、1999年にはスコットランド議会の開会の際にも歌われた。(c)AFP/Katherine Haddon