【1月22日 AFP】(一部更新)中国で化学物質メラミンに汚染された粉ミルクを飲んだ多数の乳幼児が健康被害を受けた事件の裁判で、中国河北省の中級人民法院(地裁)は22日、汚染された粉ミルクを製造・販売した張玉軍(Zhang Yujun)被告ら2人に公共安全危害罪で死刑を、そのほかの19人に厳しい刑を言い渡した。国営新華社(Xinhua)通信が伝えた。

 この事件で判決が下されたのは今回が初めて。同事件は前年、中国全土でメラミンが混入したミルクを飲んだ乳幼児29万4000人が腎臓などに異常をきたし、少なくとも6人が死亡したもので、汚染ミルクの製造・販売に関わったとされる21人が起訴されていた。

 当初この日は12人に判決が出されたと伝えられたが、その後21人の被告全員に判決が出されたと伝えられた。中国中央テレビ(CCTV)によると死刑判決の2人のほか、1人に死刑執行猶予(通常、終身刑に減刑される)、粉ミルクの製造・販売元の1つ三鹿集団(Sanlu Group)元会長の田文華(Tian Wenhua)被告など3人に終身刑が言い渡された。そのほかの被告には2年から15年の禁固刑が科せられた。

 中国政府には迅速な裁判によって食品安全に真剣に取り組む姿勢を示したい意向があるが、被害者の家族らは、ミルク製造業の業界団体や関連当局も罰せられるべきで、これは見せかけの裁判にすぎないと非難している。(c)AFP/Karl Malakunas