【1月22日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)への攻撃で、イスラエル軍が人口密集地での使用が国際法で禁止されている白リン砲弾を使用したとされる問題で、同国ハーレツ(Haaretz)紙は21日、軍が調査を開始したと報じた。

 同紙によると、調査の焦点は、予備役の空挺部隊がガザ北部ベイトラヒヤ(Beit Lahiya)周辺で発射した約20発の白リン砲弾についてだという。

 また、イスラエル軍は、白リン砲弾2種類について、発煙弾として使用したことを認めているという。

 同問題をめぐっては、国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)が19日、ガザ市(Gaza City)のアルクッズ(Al-Quds)病院など、市街地で白リン砲弾が使用された「疑う余地のない証拠」が確認されたとして、使用は「明白で議論の余地はな」く、イスラエル軍は戦争犯罪で有罪となる可能性もあると主張している。

 また、ガザ地区の医療関係者からも、ガザ攻撃中に白リン砲弾で火傷した数十人を治療したとの報告が上がっている。

 こうした批判に対しイスラエル軍は、ガザで使用された兵器はすべて国際法の枠内だと反論している。

 白リン砲弾は、含有する化学物質が酸素と接触して燃えるときに大量の煙を発生させることから、部隊の動きを隠す煙幕生成などに使われる。ただ、人間に対して使われると激しいやけどの原因となることから、国際法で人口密集地などでの使用は禁止されている。(c)AFP