【1月19日 AFP】タイの裁判所は19日、タイ王室を侮辱する小説を書いたとして、オーストラリア人の作家に不敬罪で禁固3年を言い渡した。王室を擁護する厳格なタイの法律が適用された最新例となった。

 有罪となったのはオーストラリア人のハリー・ニコライデス(Harry Nicolaides)被告(41)は、濃いオレンジ色の囚人服に足かせをはめられた姿で、首都バンコク(Bangkok)の裁判所に到着した。2005年に自費出版で発行した著書の一節が、タイ王室を侮辱したという罪状を認めた。

 ニコライデス被告は公判前、報道陣に対し「わたしはタイ国王を尊敬している。(王室に関する)分かりにくい法律があることは知っていたが、それがわたしに適用されるとは思っても居なかった」と涙ながらに語った。

 被告はタイ北部の大学で講師として働いていたが、前年8月31日、バンコク(スワンナプーム)国際空港(Suvarnabhumi Airport)の出発ロビーで拘束された。逮捕状は2年半も前に発行されたものだった。

 問題となった被告の著作は『Verisimilitude(真実のようなもの)』という題で、被告の家族によるとわずかな部数しか売れていないという。(c)AFP/Thanaporn Promyamyai