【1月16日 AFP】コーヒーを適度に飲む中高年はアルツハイマー病の発症リスクが極めて低いことが、15日発表されたフィンランドとスウェーデンの合同チームの研究で明らかとなった。

 研究を率いたフィンランド・クオピオ大学(University of Kuopio)およびスウェーデン・カロリンスカ研究所(Karolinska Institute)教授のMiia Kivipelto氏によると、コーヒーを1日3-5杯飲む中高年は、高齢になった時に認知症やアルツハイマー病を発症するリスクが60-65%低いという。

 研究チームは、フィンランドで20年以上にわたり1409人を対象に、聞き取り調査を繰り返し実施した。まず50代の被験者にコーヒーを飲む習慣について質問し、その後1998年に65-79歳になった被験者の記憶機能を調べた。その結果、98年までに被験者のうち61人が認知症を、48人がアルツハイマー病を発症していた。

 同教授は、コーヒーにはアルツハイマー病に有効とされる抗酸化剤が多量に含まれていると指摘している。ただし、認知症の発症を遅らせたり回避するのに効果がある正確なコーヒーの摂取量は、不明だという。

 一方、前日発表された、コーヒーを多量に摂取すると幻覚症状を起こしやすいとする研究結果について、同教授は「過剰に摂取するべきでないということだろう」と述べた。(c)AFP