【1月16日 AFP】イスラム原理主義組織ハマス(Hamas)の幹部は16日未明、AFPに対し、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)からのイスラエル軍の撤退と同地区の封鎖解除を条件に、1年間の停戦案を提示したと語った。

 シリアの首都ダマスカス(Damascus)に拠点を置くハマスの政治部門のMussa Abu Marzuk副代表によると、カイロ(Cairo)で協議中のハマスの代表団が、エジプト当局者に停戦案を提示。現在はイスラエル側の返答を待っているという。

 その上で、ガザ封鎖が続く限りは停戦はないとも強調した。欧州連合(EU)の監視団については、ハマスは受け入れる方針で合意していると述べた。

 エジプトでの停戦協議に関与している欧州外交筋は、ハマス停戦案について1年後に更新の可能性があることを確認したとAFPに話したが、Abu Marzuk副代表は「それはエジプトの停戦案だ。われわれが提案した内容は今説明したものだ」と述べた。

 一方、フランスのベルナール・クシュネル(Bernard Kouchner)外相と英国の中東特使を務めるトニー・ブレア(Tony Blair)前首相は同日、エジプト停戦案の詳細を新たに公表した。停戦案は1年を期限とし、イスラエル軍が5-7日以内にガザ地区から撤退するとともに全検問所を解放する内容となっている。

■イスラエル、ヨルダン川西岸を48時間封鎖

 こうしたなか、イスラエル軍は16日、同日午前零時(日本時間同午前7時)から48時間にわたって、ヨルダン川西岸(West Bank)を封鎖すると発表した。ガザ地区での攻撃に対してハマスが16日を「怒りの日」とし、抗議デモを行うと呼びかけたことへの措置だという。西岸に拠点を置くパレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハ(Fatah)のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長も、同日に抗議デモを呼びかけている。

 イスラエル軍の一連の軍事作戦による死者は、国連(UN)発表で16日までに1100人を超えた。ガザ地区の病院関係者によると、うち600人が民間人で、355人が子どもだという。(c)AFP