【1月9日 AFP】学校で問題行動を起こす子どもたちは、大人になってきちんとした仕事に就けず、精神面の健康状態も悪く、また十代での妊娠や離婚の傾向が強いとする研究結果が、英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(British Medical JournalBMJ)」電子版で9日、発表された。

 研究チームによると、今回の結果は、生徒たちの反社会的な行動に警鐘を鳴らしている教師らを統計的に支持するものだという。

 この研究では非常に長期間にわたる調査が行われた。1946年に生まれた英国人3652人を対象に、同意の下、定期的に健康、家庭、職業などについての質問に回答してもらった。

 13-15歳の間は教師らに依頼して被験者の生活態度を評価してもらった。評価は、行動に重大な問題がある、ある程度問題がある、問題がないの3段階で行われ、重大な問題があるとされたのが9.5%、ある程度問題があるが28.8%、問題がないが61.7%だった。

 それから40年後に行われた追跡調査で、学校での問題行動と、成人後の生活上の問題に明確な関連性があることが分かった。

 学生時代の行動に問題がなかったグループと比較して、重大な問題があったグループは、離婚や、配偶者・子ども・友人との人間関係で問題が起きやすく、20歳前に親になる割合は2倍、学校を中退する割合は4倍、肉体労働に従事あるいは失業中だったのは2倍だった。学生時代の問題行動は、本人のその後の人生はもちろん、社会全体にも悪影響を及ぼす可能性があることが示された形になった。

 研究を率いたカナダ・アルバータ大学(University of Alberta)公衆衛生学部のイアン・コールマン(Ian Colman)准教授は、今回の研究には非行の原因を説明するデータがないなどの限界もあるものの、問題行動を起こす十代の若者たちを助ける方法を見つける助けになるとしている。

 なお親の評価よりも教師による評価の方が、子どもが非行に走る危険性を察知する指標としての信頼性が高いことも分かったという。(c)AFP