【1月7日 AFP】(一部更新)ロシアは7日、ウクライナ経由の欧州向けガス供給を完全に停止した。ウクライナとロシアの双方が発表した。欧州の住民は、極寒の天候が続く中、ガス危機の影響を受ける可能性がでてきた。

 ウクライナは、ロシアが欧州向けのガス供給を停止したと非難。一方で、ロシア政府系の天然ガス独占企業ガスプロム(Gazprom)は、ウクライナ政府がガス供給を続けていた最後のパイプラインを閉鎖したと非難した。

 欧州では、オーストリア、チェコ、ルーマニア、スロバキアが、ロシアからのガス供給の停止を発表した。これで、欧州では10か国がロシアからのガス供給が完全に停止した。ロシアがウクライナに供給しているガスの支払い問題をめぐって起きた今回のガス危機により、ロシアからのガス供給が減少していると訴える国は、すでに17か国に上っている。

 ウクライナの国営ガス企業ナフトガス(Naftogaz)のValentin Zemlyansky広報担当はAFPに対し、「ロシアが現地時間7日午前7時44分(日本時間同日午後2時44分)、ウクライナ経由のガス供給を完全停止した。ロシアによって、欧州にはガスがなくなった」と語った。

 一方、ロシアのガスプロムのアレクサンドル・メドベージェフ(Alexander Medvedev)副社長は、ウクライナが欧州向けのガスを全面的に停止したと非難し、パイプラインの停止が続いた場合、「非常に深刻な技術的問題が発生する」と警告した。

 メドベージェフ副社長は、ドイツの首都ベルリン(Berlin)で記者団に対し、「昨晩、ウクライナが欧州向けのガスパイプラインを全面的に停止した。今朝から、ウクライナ経由での欧州向けガスはすべて停止している」と語り、「非常に寒い天候が続く中、パイプラインが長期にわたって停止された場合、非常に深刻な技術的問題が起きる」と警告した。

 また、ガスプロムは同日、ウクライナが前日も欧州向けガスを盗んでいたとして非難した。

 ガスプロムのSergei Kupriyanov広報担当は、テレビで「ナフトガスは、技術的にガス消費が必要という名目で、過去24時間でさらに2100万立方メートルの欧州向けガスを盗んだ」と語った。

 その上で、ガスプロムは、ウクライナ経由のガス供給を2100万立方メートル分停止する以外に「選択肢がなく」、ウクライナが盗んだ分と同量のガス供給を停止するという警告を実行したと述べた。(c)AFP