【12月25日 AFP】ランサナ・コンテ(Lansana Conte)大統領死去後に軍の一部がクーデターを企てたギニアで24日、クーデター実行グループは全土に外出禁止令を発令、2010年に大統領選挙を実施すると発表した。

「民主主義と発展のための国家評議会(National Council for Democracy and Development)」と自称する同グループは同日、ラジオを通じ、24日以降の午後8時から午前6時の外出を禁止すると発表した。また、陸軍の燃料供給部隊のトップを務めていたムサ・ダディ・カマラ(Moussa Dadis Camara)大尉が指導者であるとの声明を発表した。

 カマラ大尉は2010年12月に大統領選挙を実施する意向を示している。大尉は軍高官26人と民間人6人の計32人による暫定政府を率いる方針だという。

 AFP記者によると、クーデターに同調した軍兵士数百人が威嚇行為として、国際空港付近の軍主要基地を離れて首都コナクリ(Conakry)を行進した。

■首相は実権保持を主張

 一方、アフメド・ティディアン・スアレ(Ahmed Tidiane Souare)首相は、政府側が実権を握っていると主張しており、国連(UN)西アフリカ特使は24日、実権を掌握している勢力の判断はまだできないと語った。

■クーデターの背景は

 クーデター実行グループはギニアの領土的一体性を保持するため行動しているとし、コンテ政権に忠実だった軍部隊が、近隣諸国からの外国人部隊の介入を企てていたと主張している。

 1984年にクーデターで政権を掌握した故コンテ大統領は、権力強化のために軍を利用していたが、近年は政権への批判が高まり、社会的な緊張が増していた。

 ギニアは人口1000万人程度、ボーキサイトの世界的な輸出国として知られる。(c)AFP/Mouctar Bah