【12月24日 AFP】バングラデシュに今月、タージ・マハル(Taj Mahal)のレプリカが出現し一般公開されたが、期待して訪れた多くの人々から「デザインがちゃち」「素材がチープ」などと怒りまじりの失望が噴出し、建設した同国の有名映画監督をあわてさせている。

 アーサヌラ・モニ(Ahsanullah Moni)氏は5800万ドル(約52億円)を投じて、首都ダッカ(Dhaka)から北東に30キロのソナルガオン(Sonargaon)に「バングラデシュ・タージ・マハル」を建設した。大理石と花こう岩はイタリアから、ダイヤモンドはベルギーからそれぞれ取り寄せた。ドーム部分には160キロのブロンズを使用した。

 このタージ・マハル建設プロジェクトは世界中の関心をひき、インド外交官からは「著作権侵害」の恐れがあるとの指摘すらされるほどだった。

 バングラデシュ・タージ・マハルは今月初旬に一般公開され、国内各地から数千人がひと目見ようと押し寄せた。

 ところが、ベンガル語の地元紙Prothom Aloはこのほど、訪れた人の多くが「だまされたと感じた」との記事を掲載した。

「タージ・マハルが見られると思って楽しみに来たのに、がっかりよ」と、ダッカ在住のアスマさん。別の女性も、「何もかもが安っぽい。本物とは比べものにならないわ。わざわざ海外から取り寄せたという高価な石やタイル、ダイヤモンドなんて、どこにもないじゃない」と腹立たしさを隠さない。 
 
 ブロガーたちも、モニ氏が「実物大」と称するレプリカをやり玉にあげている。

 そのうちの1人、アパルナ・レイ(Aparna Ray)さんは、「タージ・マハルをめぐる誇大宣伝は、一種の策略だった。タージの名前を借りた詐欺だ」と憤りをあらわにした。「まるで風呂場に使われているようなタイルだ。われわれはこの男にだまされている」と書き込むブロガーも。

 こうした批判に対し、モニ氏は、「実物のタージのものよりも良質のタイルを使用した」と反論。「本物のタージを見たければ、インドまで行かなければならない。その場合、最低でも2万タカ(約2万6000円)はかかる。わたしのタージならたったの50タカ(約65円)で済む」と述べている。

 ただし、バングラデシュ・タージ・マハルは来月、入場料を100タカに引き上げる。

 本物のタージ・マハルは完成まで22年を要したが、バングラデシュ版は5年で完成した。

 モニ氏はいわゆる「ダリウッド」映画の巨匠で、これまでに20本を製作している。富豪としても有名で、ダッカにシネマホールと3つ星ホテルも所有している。(c)AFP/Shafiq Alam