【12月21日 AFP】太平洋と大西洋を結ぶ大洋間運河をニカラグアに建設する構想は19世紀にさかのぼるが、米国が1914年にパナマ運河(Panama Canal)を開通させたことで幻に終わった。

 パナマ運河は現在拡張工事が進められているが、ここ数年ニカラグア政府関係者の間で、パナマ運河の混雑を理由に自国内に新運河を建設する構想があらためて語られるようになった。

 ニカラグアと関係を強めるロシアのドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領は18日、新運河建設構想に興味を示し参加を検討していることを明らかにした。

 ニカラグア政府が2年前に発表した構想によると、「Big Canal(大運河)」と呼ばれる新運河は全長286キロ、25万トン級の貨物船の航行が可能で総工費は180億ドル(約1兆6000億円)だとしている。河川を利用した6つのルートが検討された。

 この構想でニカラグア政府は具体的な計画の策定、資金調達、建設、運営、保守を75-90年間の長期間にわたり民間セクターにリースするか民間と共同経営することを想定している。

 1990年代に太平洋と大西洋を375キロの鉄道で結ぶ構想が示され、日英蘭米の技術提供会社や建設会社が興味を示したが、ニカラグアの現在まで4代の大統領はそろって運河建設に意欲を示してきた。

 ダニエル・オルテガ(Daniel Ortega)現大統領は2006年の選挙戦で、20世紀前半の革命家アウグスト・サンディーノ(Augusto Sandino)の「中米が団結すれば、ニカラグアの大洋間運河建設を思い出すだろう」との発言を取り上げその夢を国民にアピールした。(c)AFP