【12月9日 AFP】気候変動から世界を救うためにはカンガルーを食べるべきだという報告書が10月に発表されたオーストラリアで、今度は野生のラクダを食べれば環境破壊が抑制されるという報告が9日、明らかにされた。

 オーストラリアには、野生では世界で最も多い100万頭以上のラクダが生息しているが、管理が行き届かず、砂漠の生態系や水源に悪影響を与える事態になっているという。
 
 3年に及んだ研究の報告をまとめたDesert Knowledge Cooperative Research Centre(砂漠知識強力研究センター)では首都キャンベラ(Canberra)で10日、高官らにラクダのバーベキューを提供する催しを行い、ラクダの食用を推進する予定。

 報告の共著者マレー・マクレガー(Murray McGregor)教授は、野生ラクダの数を減らすには食べるのが最適な方法だという。教授は豪通信社AAPの取材陣に「今日ぜひラクダを試してください。わたしも食べたところだが、うまみのある肉でちょっと牛肉にも似ている。脂肪は少ないし健康食だ」と述べた。

 オーストラリアでは最近、気候変動に関する政府の最高顧問が、カンガルーの肉の食用を奨励する報告を発表したばかりだ。

 もともと豪州大陸にいたカンガルーとは異なり、ラクダは19世紀後期から20世紀初期にかけて内陸部へ移動する際の荷物の運搬用に豪州へ連れてこられた。

 しかしその後、交通の発展で不要となり野生に放たれた。豪州大陸では天敵もなく、広大な土地で繁殖し続け、大陸固有の種の動物を襲ったり、えさを競いあって生態系を破壊したり、疾病を広める結果になっている。(c)AFP